リモート点検AIカメラ導入インタビュー -株式会社坊源-
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人手不足を“チャンス”に変える─温泉宿がAIカメラで描く新しい経営への挑戦

株式会社坊源
代表取締役 原 華織 氏
宮城県柴田郡川崎町出身。 26歳のとき、両親の旅館業を手伝うために会社員から転身。 接客や経営のノウハウを学ぶ修行を経て、2004年に旅館 「山景の宿 流辿」 を開業。 さらに2009年には 「流辿別館 観山聴月」 をオープンし、地域を代表する温泉宿として発展させてきた。 その後も、犬専用のホテル 「ドッグホテルわん」 や、愛犬と一緒に宿泊できるグランピング施設 「HANABUSA DOG Glamping」 を開設するなど、精力的に事業の幅を広げている。 2023年7月、株式会社坊源 代表取締役 に就任。 地域に根ざしながら、新しい温泉宿の形を追求し続けている。
人口減少や人手不足が進む中、宿泊業は“持続可能な運営モデル”を模索しています。 株式会社坊源は、AIカメラの導入を通じて業務の最適化とサービス品質の維持を両立。 経営視点からの課題解決と、現場スタッフの働きやすさを両立する取り組みは、 地方旅館が抱える共通課題に対して新たな一手を提示しています。 「人が減っても、温かさは減らさない」──その信念のもとに動き出した 代表取締役 原華織氏の挑戦を追いました。
導入に至った背景や経緯
ーリモート点検AIカメラ導入に至った背景や経緯を教えてください。
原社長:
従来管理していた父が入院し、代替人員を雇用するかどうかというところで、IT・デジタル化で省人化を図る必要が生じました。
最初は「防犯カメラで温度計をその場所に行かなくても確認できないでしょうか? 」とマイトさんに相談したのがきっかけでした。
マイトさんからは、「防犯カメラでは”数字がわからない”、”電源やLAN配線が困難”など制約があり、遠隔から設備状態(漏水・漏電・温度等)を把握できるソリューションがあるので、リモート点検AIカメラを導入してはどうか?」
という提案を受けました。
そして、マイトさんの提案であればと、現在のリモート点検AIカメラの導入に至ったという経緯です。 配線不要、電源不要、定期充電で運用でき、夜間でも設定した時間で点検可能というところがメリットでした。
ー従来の管理の場合、どのくらい時間がかかっていましたか?
原社長:
1回あたり40~50分くらいかかっていました。それを1日2回行っていますね。
ー従来の管理方法で、そのほかの不便だった点や困っていたことはなんでしたか?
原社長:
地震はいつ起きるかわからないですよね。夜中に地震が発生する場合もあります。そういう時にすぐにチェックできるのはとてもいいですよね。
-導入後の効果-


ー実際に導入してみてどのような効果がありましたか?
原社長:
旅館業等では源泉(温泉)や基幹設備が止まると死活問題。
人が見回る方式から、リモート点検AIカメラで常時監視し、遠隔で閲覧可能にすることで、異常を把握・現場対応できる体制ができました。
人件費の観点からも有利で、サービス業は本来のサービスへエネルギーを集中しつつ、異常を事前に検知して顧客に気づかれる前に対処することができます。事前に対処することがとても重要ですから。
ー定量的な効果でいうと、先ほどのお話にもあったように1回40~50分の時間を削減できているということですね。
原社長:
そうですね。先ほども話した通り1回あたり40~50分くらいかかっていました。それを1日2回行っていました。月で言うと50時間を削減できて、それを他のサービスに時間を費やすことができます。
ー実際に導入してみてそのような効果がありましたか?
原社長:
人手不足の緩和につながると思います。特に地方は助かると思います。温泉地は、なんせ人手不足ですから。その助けになると思います。
ー想定していなかったメリットはありますか?
原社長:
温度計が閾値以外の数値になると、AIカメラが認識してアラートを出すんですが、何も来ないという安心感があります。やはり、お客様が気付く前にこちらが気付けなければならないですよね。そういう意味では何もないということの安心感と、何かあったら知らせてくれるというそれぞれの安心感があります。
-インタビューのあとがき-

地方の温泉旅館にとって、人手不足や設備管理の負担は避けて通れない課題です。 株式会社坊源の取り組みは、それを“人を減らすための省力化”ではなく、“限られた人材で品質を守る仕組み化”へと昇華させました。
AIカメラによるリモート点検は、現場に行かずに状態を把握できるだけでなく、 「異常の未然防止」「人的リソースの再配分」「お客様満足度の維持」 を同時に実現。 デジタル導入が単なるコスト削減ではなく、“経営の安定とブランド力の強化”につながる好例です。
いまや「AIで見守る安心」は、設備管理だけでなく、旅館経営全体の持続可能性を支えるインフラへ。 人口減少時代における地方宿泊業の未来は、こうした一歩から変わっていくのかもしれません。
最後に、インタビューのご協力誠にありがとうございました。弊社でお手伝いできることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。お客様に素敵な宿泊体験がご提供できるよう、共に努めてまいります。